2014年05月12日

総合ディレクター坂本浩章より追悼メッセージ

國府　理さんの訃報に際して

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2010、2013に招待作家として出展していただいた「國府理（こくふおさむ）さん」が、４月２９日に不慮の事故のために４４歳の若さで永眠されました。

強い印象の作品は、ご来場者の方々、関係者にも、いまだに記憶に残っていると思います。

2010年の「Upside Down Terrace」では、駐車場の下に３台の車が逆さまで展示されました。

2013年は「森のドライブ」で、地上８m以上の山小屋風のオブジェの屋上に車を配置しました。

今でも駐車場に行くと思わず上を見上げてしまいます。

そして、森を見ていると赤い車を運転している國府さんが樹々の間から出て来そうです。

私達が日頃目にしている文明社会を、視線や目的などを変えて役割や機能を変化させた作品は、これからの私達の生活に対する問題を想起させる、「切っ掛け」を提案されていました。

アートが持っている「力」は、その場の出会いだけでなく、いつまでも心の中に生き続ける“メッセージ”として残るものだと思います。

これからも、六甲山に与えてくれた國府さんの足跡を宝とさせていただき、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

総合ディレクター　坂本浩章

森のドライブ/六甲山カンツリーハウス（2013年）	Upside Down Terrace/六甲ガーデンテラス（2010年）