北川貴好 / Takayoshi KITAGAWA
北川貴好 / Takayoshi KITAGAWA
1974年 / 大阪府生まれ北川貴好 (1999年 / 武蔵野美術大学建築学科卒) は、日本の各地で屋外での作品制作を続けてきた。その一方で、彼は屋内での発表にも意欲的に取り組んでいる。そして、屋内外のいずれにせよ、北川の作品には共通点がある。屋外の場合、彼は周囲の環境に手を加えたうえで、作品とともに未知なる光景を作り出す。一方、屋内では建物を加工して作品を設置し、空間を一変させる。また、作品を発表する地域の歴史や固有性を読み解き、作品に深みを加える。このように、設置場所そのものを重視するのが北川の作品の特徴である。
出展作品解説
作品名 : タイヤ-プラント モニュメント北川貴好は本展で、約500個もの大量の廃タイヤを築き上げたインスタレーション作品を発表する。その造形だけでも見る者を圧倒するが、それだけにとどまらない。タイヤの中には土が詰められ、そこには植物が生えている。つまり、周囲の森と作品との一体化が図られ、新たな光景を登場させたのである。六甲山は明治期以来、開拓が進められ、新たな自然が造成されてきた。また、自動車の普及にともなって観光客が増え、六甲はレジャースポットとして発展してきた。すなわち、タイヤを用いて新しい景観を作り出した本作は、六甲の歴史にも通じている。
主な展覧会歴
「越後妻有アートトリエンナーレ」/ 新潟 (03年)、「旧中工場アートプロジェクト」/ 広島 (07年)、「多摩川アートラインプロジェクト」/ 東京 (08年) など。