田中健司 / Kenji TANAKA
田中健司 / Kenji TANAKA
1981年 / 兵庫県生まれ / 神戸市在住田中健司 (情報科学芸術大学院大学卒) は、大阪成蹊大学卒業後、空間や照明のデザイナーを経て、情報科学芸術大学院大学へ進み卒業。修士 (メディア表現)。光と映像を主な表現方法として、その場所の空間や背景を取り入れた作品を多数制作している。また、パフォーマンスグループdotsとのコラボレーション、月 をモチーフとしたインスタレーション、照明装置の制作など活動は多岐にわたる。
出展作品解説
作品名 : 六甲時光六甲山は外国人の別荘として発展した歴史がある。今もなお、住宅地ではなく観光地として利用され、当初の目的を忘れていない。 その歴史の象徴のひとつが、六甲山上駅である。
六甲山上駅には、駅が施工・開設された1930年代当時の装飾が残る。その装飾は、別荘や近代化の時代をひっそりと物語っているように思える。
しかし、初めて訪れた人には、そんな背景があることは知り得ない。
昼間、青々とした森が、夜になると夜空よりも深い闇に山が覆われ、夜に留まる場所のない六甲山において、六甲山上駅は最後の出口になる。
日没時には、六甲山上駅だけが煌々と輝きを増していく。
神戸の夜景をバックに、六甲山上駅はライトアップされる。
六甲山上駅に映像が投影されることによって、建築物の形とその存在が際立っていく。
さらに、装飾は複製されて、さまざま印象を展開していく。
映像は、建築物の繊細な形をなぞり、特徴的な装飾を映し出す。
六甲山のフィールドワークを通じた経験や過去の資料を元に、映像のシーンを紡ぎあわせて、作品は完成へと向かうだろう。
初めて来た観光客、仕事や学校で通勤通学をする人など、さまざまな鑑賞者がいる。
その中の一人でも、六甲山上駅の前で立ち止まり、その存在について見つめ直してもらうことが、作品の意義になる。
主な展覧会歴
2004年元離宮二条城ライトアップ2004 東南隅櫓映像プロジェクション (共同制作者 : 野村秀幸) 二条城 / 京都、トキハ舘 外壁投影プロジェクト キハ舘 / 滋賀、細野ビルヂング 映像プロジェクション / 大阪
2005年
「Art Court Frontier 2005 #3」ARTCOURT Gallery / 大阪、神戸アートアニュアル2005「眺めるに触れる」神戸アートビレッジセンター / 兵庫
2007年
IAMAS2007 GRADUATION EXHIBITION ソフトピア / 岐阜、ART AWARD TOKYO 2007 / 東京、CENTRAL EAST TOKYO 2007 / 東京
2009年
105人の時間展 GRANSHIP 静岡コンベンションアートセンター / 静岡
2010年
IAMAS2010 GRADUATION EXHIBITION ソフトピア / 岐阜