イチハラヒロコ / Hiroko ICHIHARA
イチハラヒロコ / Hiroko ICHIHARA
1963年 / 京都生まれ / 京都市在住京都芸術短期大学卒業。美術家として活動を始めて以来、イチハラヒロコは言葉による作品を絶えず手がけてきた。その言葉はユーモラスなものが多く、美展覧会場で「くすくす」「ぷぅ」と笑い声が響くことも珍しくない。だが、朗らかな笑いだけとは限らない。時には、辛辣かつシニカルな毒を含む作品もある。とはいえ、その毒にしてもユーモアというオブラートに包まれている。効き目が強くて苦い薬には糖衣が欠かせない、というものだ。
出展作品解説
作品名 : 「刈る。」今回、イチハラヒロコは六甲山カンツリーハウスにて、芝生を刈ることによって言葉を表現する。この試みは、彼女のキャリアの中でも特異であり、画期的でもある。というのも、イチハラの作品に色が登場したからに他ならない。これまで彼女は、ストイックなまでに一貫して白地に黒い文字のみの作品を制作してきた。一方、芝生を用いる今回は、当然、地色も文字も緑色となる。本作は、イチハラにとって新機軸を打ち出しながらも、その言葉は実にストレートかつ奔放であり、あっけらかんとした笑いを誘う。
主な展覧会歴
「横浜トリエンナーレ」(01年)、「ガール、ガール、ガール」/ 東京オペラシティアートギャラリー (03年)、「愛と孤独、そして笑い」/ 東京都現代美術館 (05年) など。